世界のモバイルアプリトレンド:第3回

Column 2020

2020/01/31

ダウンロード数は「PayPay」、上昇率は「タイミー」――令和最初の年末における日本の人気アプリ動向

今回は、2019年12月度における日本国内iOSアプリ「ゲーム以外」と「ライフスタイル」カテゴリーの利用動向を紹介します。

モバイルアプリアプリの総合ランキングを見るとゲームが上位を占めることが多いようですが、もちろんゲームばかりがアプリではありません。今回は日本国内市場にフォーカスし、令和最初の年末となった2019年12月度におけるiOSアプリの利用動向を紹介します。

国内iOSアプリ「ゲーム以外」カテゴリー

 

最新2019年12月度の日本国内Apple App Store「ゲーム以外」カテゴリーにおける上位3アプリは、テレビCMを含む重点キャンペーンを展開したモバイル決済の「PayPay」、共有カレンダーの「タイムツリー」、動画ストリーミングの「Amazonプライム・ビデオ」でした。

 

Apple「App Store」 における日本国内の「ゲーム以外」アプリダウンロード数トップ5(2019年12月度/Priori Data調べ)

 

前月からの上昇率に注目すると、登録不要の無料音楽アプリ「ミュージックHD」の126%増と共有カレンダー「タイムツリー」の109.4%増が際立っています。2015年3月に公開された「タイムツリー」ですが、2019年12月に、登録ユーザーが2,000万人を超え、かつ、19.6億円の資金調達が完了したということです。App Storeでのユーザーの評価は4.6/5と利用満足も高く、タレントを起用した積極的なCMキャンペーン戦略も当月ダウンロード数増に貢献しました。

ダウンロード数では「PayPay」が他社を圧倒しました。2019年初を底にした月間ダウンロード数は、秋から徐々に上がり続け、年末商戦期3カ月にてピークを記録しています。

 

国内iOSアプリ「ライフスタイル」カテゴリー

 

カテゴリー別で大きな変動が見られたのが「ライフスタイル」です。同カテゴリーにおいてダウンロード数1位にはったのは単発バイト求人アプリ「タイミー」。前年の夏に公開された新アプリですが、日払い単位で面接不要のアルバイト求人という利便性が大都市圏の若者を中心に支持されています。

前月比456%という12月度ダウンロード数の急拡大は、年末年始に集中したテレビCMなどのキャンペーン効果も大きな要素でしょう。運営企業のタイミーは2019年10月、ジャフコやミクシィなどから20億円の資金調達を実現し、市場拡大を積極的に進めています。

年賀状関連のアプリも大きく上昇しました。また、コマースのポイントアプリも安定したダウンロード数を記録しています。

 

高い顧客満足度を支える「PayPay」の採用SDK

 

PayPay は年間を通してみても、App Storeで2019年にダウンロード数が最も多かったアプリでした。iOSでのダウンロード数は540万回。Google playでも「LINE」「SmartNews」に次ぐダウンロード総数第3位となる640万回でした。2018年10月4日の初回ダウンロードから累計するとその利用規模は相当数に達します。運営会社のPayPayは2019年11月17日に「PayPay」の登録ユーザー数が2000万人を突破したことを発表しました。

PayPayはユーザーから高い評価を受けており、App Storeでは5段階評価で4.6というスコアです。かなり頻繁にUI改善や機能追加を行っていて、SDKの入れ替えも定期的に行っています。

アナリティクスでは「Crashlytics」の利用を取りやめ、「Google Analytic」を中心に利用分析を行っている模様です。世界的なモバイルアトリビューション分析ツールとしては「AppsFlyer」「Adjust」「Kochava」や「Tune」が挙げられますが、「PayPay」は「AppsFlyer」を2019年3月より採用しています。モバイルアトリビューション分析ツールは、A/Bテストやコホート、ファネル、アプリ内イベント、リテーション、レベニュー、アンインストールトラッキングなど「Google Analytics」ではカバーできない詳細なアプリユーザー動向分析が可能です。

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