デジタル市場レポート2018年11月版

Column 2018

2018/11/27

国内でも大人気!
リップシンク動画アプリ「Tik Tok」最新情報

現在国内の中高生の間で、リップシンク動画アプリ「Tik Tok」が人気を博しています。リップシンク動画アプリとは、15秒ほどの楽曲に合わせて自分が口パクで歌うことのできるアプリで、誰もが簡単に面白動画を作成、投稿できることから、全世界で一大ブームとなっています。

 このアプリのパブリッシャーは、中国のメディア企業Bytedance Inc.。2017年11月、リップリンク動画アプリではすでに欧米で成功していた同中国のMusical.ly Inc.を買収し、「Tik Tok」の単独ブランドネームでグローバル市場に再リリースしました。

 国内における「Tik Tok」のリリースから2018年10月末までの総ダウンロード数は、Apple App Storeでは1,300万を超え、Google Playでも600万を超える驚異的な数値となっています。またダウンロード数のトレンドでは、両プラットフォームとも類似したトレンドを辿っており、「Tik Tok」が「Musical.ly」を買収した直後の2017年12月に急増。その後ダウンロード数は減少しますが、2018年5月から再度ダウンロード数が増加し、2018年8月がピークとなっています。但し、その後は両プラットフォームともダウンロード数は減少するトレンドで推移しています。


Figure 1: 国内Apple App Store
(Source : Priori Data, Apple App Store, November 18, 2018, Japan)

Figure 2 :(Source : Priori Data, Google Play, November 18, 2018, Japan)

さらに、国内における「Tik Tok」のDAU(1日当たりのアクティブユーザー数)を調査してみると、ダウンロード数はすでにピークを過ぎているものの、アクティブユーザー数は増加傾向にあることが分かります。特にApple App Storeのアクティブユーザー数が顕著で、2018年10月でのDAUは300万を超えています。

 また全体的にSNSのアクティブユーザー数が減少しているGoogle Playでは、「Facebook」「Twitter」「Instagram」との差がなくなっており、2018年10月では、「Tik Tok」のDAUは「Instagram」のDAUの66%まで迫る勢いを見せており、国内における新たなSNSの誕生の示唆かもしれません。

Figure 3:  (Source : Priori Data, Apple App Store, November 18, 2018, Japan)
(Source : Priori Data, Google Play, November 18, 2018, Japan)
TIK TOK : スクリーンショット

就職・転職PCサイト
ジョブサーチの「Indeed」が
ユニークビジターを増加中

2018年9月、国内就職・転職PCサイトへのユニークビジター数では、「MYNAVI.JP」が月間400万に迫るユニークビジター数でトップとなっていますが、ジョブサーチの「Indeed」が、「Rikunabi」を上回るユニークビジター数で第2位にランクインしています。
 また訪問者一人あたりの平均訪問回数では、「DODA.JP」が、月間3.6回でトップで、これに「Indeed」と「en-japan Inc」が3.0回で続く結果となっています。


Figure 5 
(Source : comScore MMX, September, 2018, Japan)  

就職・転職サイトのトップ5のユニークビジター数を過去からのトレンドで比較した場合、5サイト中4サイトは減少傾向にあります。これは、アクセスするデバイスが、過去はPCであったものから、スマートフォン・タブレット等のモバイルデバイスに移行していることがその主な要因となっています。

 その傾向が顕著なのが米国で、ユニーク・ユーザー数トップ10のサイトを、アクセスしているデバイス別に比較した場合、トップ10中9サイトが、モバイルからのアクセスがPC(Desktop)を大きく上回っています。


Figure 5:  (Source: comScore Video Metrix Multi-Platform, May 2018, US)

(Source : comScore MMX, September 2017 - September 2018, Japan) 

国内Applicant Tracking System(採用管理システム)
採用ドメイン数は、米国の1/20
トップはマイナビ社の「ACCESS ON LINE」 

米国では優秀な人材を効率的に確保するために、応募者受付から採用決定までにかかる人事担当者の業務を一つのシステム上で一元管理し、適時・適切な採用活動を進めるための機能を実装したApplicant Tracking System(以下ATS)を多数の企業が採用しています。

 Datanyzeの調べによれば、米国で何らかのATSを採用している企業ドメイン数は47,436*にも達し、また以下米国テクノロジーレビューサイト「G2Crowd」のグリッドが示すように、採用されているATSサービスは、200に迫る程多数提供されています。その中で日本でもサービスを提供しているものは、「Oracle Taleo Cloud Service」「iCIMS」等が挙げられます。



Figure 6: 米国テクノロジーレビューサイト「G2Crowd」による
Applicant Tracking Systemグリッド

一方、国内でのATS採用企業ドメイン数は、2,311*と米国の1/20以下に止まっている状況です。また採用されているATS総数は49となっています。日本のATSの特徴は、日本の採用システムに合致させた国産のATSが中心になっている点です。採用企業ドメイントップは、マイナビ社の「ACCESS ON LINE」で、これにリクルートジョブズ社の「ジョブオプ採用管理」、ビズリーチ社の「HRMOS」が続いています。

 なおトップの「ACCESS ON LINE」の2018年11月19日時点の採用ドメイン数は374。BUFFALO、日本年金機構、セディナ、カプコン等が採用しています。

(Source : Datanyze Retargeting Category, October 28, Japan))
「ACCESS ON LINE」採用ドメイン(Alexa Rank Top20抜粋)