デジタル市場レポート2018年10月版

Column 2018

2018/10/30

国内Apple App Store
動画アプリでは「TVer」がアクティブユーザー数を増加中!

2017年1月から2018年9月、国内Apple App Storeでリリースされている動画アプリのMAUトップ5のMA(月間アクティブユーザー数)の推移では、「Abema TV」を除いて、全ての動画アプリがアクティブユーザーを増加させています。

 増加数トップは、民放公式テレビポータルで無料の「TVer」で、2018年9月のアクティブユーザー数を、2017年1月と比較すると、そのMAUは約2.7倍増加しています。さらに、2017年1月時点では、トップの「Abema TV」の1/3程度に過ぎなかった「TVer」のMAUが、2018年6月には「Abema TV」を上回りトップになっています。

 有料サービスである「Netflix」「Amazon Prime Video」、一部有料を含む「niconico」も着実にMAUを増加させており、「Netflix」の2017年1月から2018年9月までの増加率は161.%、「niconico」は98.7%となっています。



Figure 1: 国内Apple App Store
主要動画カテゴリダウンロード数トップ10

(Source : Priori Data, Apple App Store, January 2017 – September, 2018, Japan)

自動車関連サイト「ヘビー」のユーザーは
ニュース系サイト「SANKEI」や
ビジネス系、スポーツ系サイトへのアクセス比率が高い

弊社が扱っているコムスコアのインターネット視聴率データには「セグメント・メトリックス」というデータがあり、このデータは、特定のサイトのアクセス頻度により、上位20%を「ヘビー」、中位30%を「モデレート」、残り50%を「ライト」ユーザーとセグメントし、これらのセグメントされたユーザーが他のどのサイトにアクセスしているか知ることができます。

 今回はこの「セグメント・メトリック」を使用し、自動車関連サイトの「ヘビー」ユーザーの「ニュース・インフォーメーション」カテゴリでのアクセス状況を調査しました。さらにアクセス特性を明確にするため、対象とするサイトは、ユニークユーザー数30万以上のサイトに限定し、ランキングもユニークユーザー数ではなく、「ユニークユーザー構成インデックス」*でトップ5のサイトをピックアップしてみました。

 結果として、自動車関連サイトの「ヘビー」ユーザーのアクセス比率が高い「ニュース・インフォーメーション」サイトのトップは、産経デジタル社が提供している「IZA.NE.JP」。全インターネットユーザーの平均アクセス率より3倍以上高くなっています。

 その他このセグメントの特徴は、ポータルサイトでは「Excite Japan」のニュースを閲覧しており、また「NIKKEIBP.CO.JP」「TOYOKEIZAI.NET」等ビジネス関連のサイトへのアクセスも高くなっています。さらに新聞では「SANKEI」系が強く、スポーツ紙の「SPONICHI.CO.JP」「NIKKAN SPORTS.COM」へのアクセス比率が高くなっています。


Figure 2:(Source: comScore MMX, July 2018, Japan) 

* 対象サイトへの全インターネットユーザーの平均アクセス率を「100」とした場合のインデックス指数。例えば、サイトAの「ユニークユーザー構成インデックス」が300であればそのアクセス者のサイトAに対するアクセス比率は全インターネットユーザーの平均アクセス比率より3倍高いことがわかる。

米国のリターゲティング・ツール
「Facebook Web Custom Audience」が市場独占
国内では「Yahoo! Japan Marketing Solutions Retargeting」
と「nex8」の国産ツールがトップ10入り

米国で一番採用されている、リターゲティング・ツールは「Facebook Web Custom Audience」。1日のアクティブユーザー数が14億人を超える米国のFacebookをベースに、その採用ドメインシェアは50%に迫る数値となっています。米国では、これに「Google Dynamic Remarketing」「Criteo」「Google Remarketing」が、採用ドメインシェア13% - 14%で続き、その他は5%以下のシェアとなっています。


Figure 3:  (Source : Datanyze Retargeting Category, October 28, US)

一方国内では、米国とは異なり、トップは「Google Dynamic Remarketing」で、その採用ドメインシェアは21.7%。これに「Google Remarketing」「Yahoo! Japan Marketing Solutions Remarketing」が、採用ドメインシェア20%を超える僅差で続くランキングとなっています。

 また国内第7位に、ファンコミュニケーション社が提供している国産の「nex8」がランクインしています。なお米国で7位、国内で8位にランクしている「Magnetic」は、IAを活用したリターゲティング・ツールを提供しており、本年9月、同米国のDeloitte Digitalに買収され、現在Deloitteグループ傘下でツールを提供しています。



Figure 4:  (Source : Datanyze Retargeting Category, October 28, Japan))