デジタル市場レポート2018年9月版

Column 2018

2018/9/19

国内Apple App Store「教育」カテゴリ
ダウンロード数トップは「Photomath」
MAUトップは「mikan」

本年8月、国内Apple App Store「教育」カテゴリのアプリのダウンロード数を比較してみると、単に学習させるのではなく、新しいタイプのアプリがトップ10にランクインしていることがわかります。

 トップは「Photomath」。このアプリは数式をカメラで撮影すれば、その答えを自動で表示してくれる文字認識のテクノロジーを活用した新しいタイプのアプリとなっています。

  第2位は「Studyplus」で、このアプリは学習アプリではなく、自分の勉強時間・内容を管理する機能を持っており、さらにSNS機能も実装して、友達同士で勉強に関する情報交換、さらにお互いに「励まし」「切磋琢磨」できる内容となっています。

 近年「教育」アプリに力を入れているのはリクルート社です。2015年から続々とアプリをリリースし、2018年8月には「スタディアプリEnglish」「スタディアプリ大学受験センター」「スタディアプリEnglish TOEIC®️L&Rテスト対策」をダウンロード数トップ10内にランクインさせています。 



Figure 1: 国内Apple App Store
「教育」カテゴリダウンロード数トップ10

(Source : Priori Data, Apple App Store, August, 2018, Japan)

これらの「教育」カテゴリアプリを、MAU(月間アクティブユーザー数)で見た場合、 MAUトップは、英単語アプリの「mikan」。やはり英語を学ぶユーザー数は多く、その他英語関連アプリでは「Duolingo」が第3位にランクインしています。

 興味深いのは第2位に「Star Chart」がランクインしている点です。このアプリは、自分がいる場所で観測出来る星座の詳細を教えてくるアプリで、国内で月間100万人以上がこのアプリを活用しています。

 国内「教育」アプリMAUトップ10の特徴とすると、MAUでは子供向けのアプリの数値が高いことが挙げられます。内容的には、「Toca Hair Salon2」、「ごっこランド」の職業疑似体験、「ドラえもん親子で漢あそび」の漢字学習、「鬼から電話」のしつけ等になっています。 



Figure2: 国内Apple App Store
「教育」カテゴリ
MAU(月間アクティブユーザー数)トップ10

(Source : Priori Data, Apple App Store, August 8 - September 6, 2018, Japan)

国内主要PCオンラインニュースサイト
重複率が高いサイト組合せは
「Asahi x Mainichi」「Asahi x Nikkei」

2018年7月、国内PCオンラインニュースサイトのユニークビジター数を比較すると、「Yahoo News」が、他サイトに比較して、圧倒的なビジター数になっていることがわかります。そのビジター数は第2位の「Asahi Shimbun」の2倍近くの数値となっています。

Figure 3:(Source: comScore MMX, July 2018, Japan) 

これらユニークビジター数トップ5のPCオンラインニュースサイト重複率を調べてみると、当然ビジター数の多い「Yahoo! News」への重複率が高くなっていますが、その他重複率の高いサイトは、「Mainichi」と「Asahi」(「Mainichi」69.5%が「Asahi」を閲覧。「Asahi」の44.3%が「Mainichi」を閲覧)、「Nikkei」と「Asahi」(「Nikkei」の61.2%が「Asahi」を閲覧。「Asahi」の46.6%が「Nikkei」を閲覧)が挙げられます。

 逆に重複率の低いサイトは、「MSN」と「Mainichi」(「MSN」19.4%が「Mainichi」を閲覧。「Mainichi」の25.1%が「MSN」を閲覧)となっています。


Figure 4:  国内ユニークユーザー数トップ5
PCオンラインニュースサイト重複率

「サイト・サーチ」カテゴリでは
「Google Custom Search」が全世界で圧倒的採用数
国内ではトップ10中
9テクノロジーが国産の「サイト・サーチ」

米国の「サイト・サーチ」ツールの採用ドメイン数では、「Google Custom Search」が圧倒的な数値となっています。第2位は米国の「Algolia」、第3位はオランダの「Elasticsearch」となっていますが、その採用ドメイン数は、「Google Custom Search」の1/12以下となります。


Figure 5: (Source : Datanyze, September 15, 2018)

一方、国内においても「Google Custom Search」が圧倒的な採用ドメイン数を保持していますが、米国とは違った「サイト・サーチ」ツールがトップ10内にランクインしています。

 その筆頭が「Yahoo Custom Search」で、国内では第2位にランクされています。また国内では国産の「サイト・サーチ」が健闘しており、「Scala i-search」「goo Search Solution」「Syncsearch」等、トップ10内では「Google Custom Search」を除いて、その他全てが国産の「サイト・サーチ」ツールとなっています。国内では日本のウェブサイトに最適化した「サイト・サーチ」が求められていることが推察できます。



Figure 6:  (Source : Datanyze, September 15, Japan)