デジタル市場レポート2018年5月版

Column 2018

2018/5/29

広告の透明性、安全性の追及を目的として
導入が進む「アドベリフィケーション」

米国で導入ドメイン数最大は
「comScore validated Campaign Essentials」

近年、広告取引の透明性や健全性を懸念する声から、デジタル広告業界において「アドベリフィケーション」が注目されています。アドベリフィケーションには大きく2つの役割があり、1つは「広告主のブランド価値を守る役割(ブランドセーフティ)」と「見られる場所に広告を表示する役割(ビューアビリティの補償)」となっています。

 「アドベリフィケーション」領域において、米国において最も多くのドメインで導入されているのは「comScore validated Campaign Essentials」。その採用数は3万を超え、続いてIntegral Ad Science, Moatという結果となっています。

 昨年、ある米国大手の広告主が「(ビューアビリティやブランドセーフティにおいて)業界基準に達していない企業(媒体)については広告出稿を行わない」という発言が業界に大きなインパクトを与え、その後広告の透明性を確保できない媒体には広告出稿を見送るグローバル企業が相次ぐなど、アドベリフィケーションというキーワードが話題になりました。今後日本でも、より多くの広告主や広告代理店が「アドベリフィケーション」に注目し、対策への取り組みが一層進められると考えられています。


Figure 1: 2018年4月13日-5月12日
国内Apple App Store就職・転職アプリ
MAU(月間アクティブユーザー数)トップ10アプリ

(Source : Priori Data, Apple App Store, April 13-May 12, 2018, Japan)

またMAUトップ5アプリの過去からのMAU推移では、就職・転職系のアプリは、10月、6月、3月にアクティブユーザーが増加しています。



Figure 2: 2017年4月-2018年4月
国内Apple App Store 
就職・転職MAUトップ5アプリMAU(月間アクティブユーザー数)推移

ホテル予約大手と並ぶ「民泊」アプリが示す
米国トラベルの新常識

本年4月、米国のGoogle Playでの旅行予約アプリMAU(月間アクティブユーザー数)では、「Booking Holdings」グループと「Expedia」グループが上位を占めています。「Booking Holdings」では「Booking.com」「KAYAK」「Priceline」、「Expedia」グループでは、「Expedia」と「trivago」がトップ10内にランクインしています。


Figure 4:
2018年4月13日-5月12日米国Google Play 
旅行予約アプリMAU(月間アクティブユーザー数)Top10 

さらにMAUトップの「Booking.com」のユーザーが、他にどのようなトラベル関連アプリをダウンロードしているのか調査してみると、複数の旅行関連アプリを併用していることがわかります。

併用率トップは「Yelp」。このアプリはタウンガイドアプリで、「Booking.com」ユーザーは、「Booking.com」で予約をしながら、「Yelp」で目的地でのレストランや施設を調べていることが推察できます。

 また「Booking.com」ユーザーは、旅行予約に関しても、「TripAdvidor」「Expedia」「trivago」「KAYAK」等もダウンロードしており、さらに民泊の「Airbnb」も併用。自分にとってベストな旅行予約をしていることが考えられます。特に民泊の「Airbnb」が 第3位に入っていることから、米国においては民泊がすでに宿泊先の選択肢の中で大きなポジションを占めていることが推察できます。


Figure 5:
2018年4月13日-5月12日
米国Google Play
「Booking.com」ユーザーのダウンロード重複率Top10アプリ