昨年末から本年年初まで、アプリストア・ファイナンスカテゴリでの仮想通貨アプリのダウンロード数が急増。ビットコインの高騰が起爆剤となり、さらに、各社の広告キャンペーン効果でダウンロード数が急増しました。
しかしながら、仮想通貨アプリのダウンロード数トップ3の「bitFlyer」「Coincheck」「DMM Bitcoin」の日別ダウンロード数推移を調べてみると、ダウンロード数は、本年1月をピークに、その後は急激に減少しています。
Figure 1:
2017年8月1日-2018年3月31日 国内Apple App Store
「bitFlyer」「Coincheck」「DMM Bitcoin」日別ダウンロード数推移
(Source : Priori Data, Apple App Store, August 1, 2017-March 31,2018, Japan)
その理由としては、本年1月26日に発覚した「Coincheck」によるNEM流出事件、「Zaif」によシステム不具合、さらに金融庁による仮想通貨業者の行政処分等で、仮想通貨に対するユーザーの期待値が低下してしまったことが起因していると思われます。
さらに最新の2018年3月データで、国内「仮想通貨アプリ」のダウンロード数トップ5を、2月データと比較すると、「DMM Bitcoin」を除いて、全アプリが大幅にダウンロード数を減少させていることが分かります。
Figure 2: 2018年3月国内Apple App Store
仮想通貨アプリダウンロード数トップ5
(Source : Priori Data, Apple App Store, March 2018, Japan)
米国のショッピングアプリで、日本市場との大きな差の一つは、薬局アプリのアクティブユーザーが多い点です。2018年3月米国Apple App Store、MAU第6位の「Walgreen」は米国の薬局チェーンのアプリで、オンラインで薬が購入できるだけではなく、様々な機能が装備されています。
その一つが「Refill by Scan(スキャンで補充)」で、処方薬が必要な場合、ユーザーは薬の容器についたバーコードをスキャンするだけで、数時間後に「Walgreen」の薬局実店舗でその処方薬を受け取ることができます。また継続的に薬を服用しているユーザーに対して、薬がなくなる時期に再オーダーの告知をするサービスや、オンライン・クーポンの提供、オンラインによる医師のコンサルテーション、さらに薬以外でも、アプリから写真のデジタルデータを送れば、店舗でプリントした写真を受け取れるサービスも提供しています。
日本の薬事法では、一般医薬品しかオンラインで販売することはできません。しかし、この「Walgreen」のように、薬事法に抵触しない領域で、ユーザーへ付加価値サービスを提供することは検討に値するかもしれません。
Figure 3: 米国Apple App Store ショッピングカテゴリMAUトップ10
(Source : Priori Data, Apple App Store, March 2018, US)
スクリーンショット:
国内各企業のホームページ、モバイルサイトでの動画の使用が増加しています。この動画の配信サービスのプラットフォームを調べてみると、大半が海外企業のサービスであることが分かります。
採用ドメイン数トップは米国の「YouTube」で、国内の採用ドメイン数は6万を超え圧倒的なシェアを持っています。2位は米国の「Vimeo」で、高品質画像では世界初の動画共有プラットフォーム。第3位の「JW Platform」も米国企業で、このプラットフォームはWebサイトに動画を埋め込む技術に優れており、特にニュース系企業や、ビデオホスティング会社に採用されています。
Figure 5 :国内オンライン・ビデオ・プラットフォーム採用ドメイン数トップ10
(Source : Datanyze, April 20, 2018, Japan)
米国「Research Intelligencer」が、2018年度「comScore Eコマース市場データ」に基づき、興味深いレポートを公開したので、以下にご紹介します。
(https://www.mediapost.com/publications/article/315969/more-digital-time-spent-on-amazon-than-next-nine-r.html)
かつて、消費者がどんなメディアに時間を費やし、そのメディアでの商品露出に対するマーケティングへ重点が置かれた時代もありました。しかし、現在、ネット販売業界はたった一社によって独占されているという状況を、comScoreによる新しいデータが明らかにしました。
利用時間で検証した時、Amazonは、22.6百万分という圧倒的な消費者からの利用状況を示し、第2位のEbayから10位までを合わせた利用時間よりも多かったのです。特に、ネット販売のどのカテゴリーにおいても成長を続けているモバイルコマース利用に関して、Amazonへ圧倒的に多くのユーザー時間が使われていることは特筆すべきでしょう。
Figure 5 :
依然、消費者のモバイルコマースにおける利用時間と購入金額の間に大きなギャップがあるのも事実です。comScoreでは、この差を40%近いと分析しています。しかし、モバイルコマースがデスクトップより、遥かに大きな成長率を示している今、モバイルコマースがデスクトップを追い抜き、主力となるのも時間の問題かもしれません。
Figure 6 :