Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート 2021年1月号 No.2

Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート
2021年1月号 No.2

2020年国内Apple App Store カテゴリ・レビュー

今回のレポートは、「Airnow(エアナウ) アプリ市場レポート」の第2弾として2020年を振り返り、国内Apple App Storeでのカテゴリ・レビューをレポート致します。各カテゴリは、どれくらいの市場規模があるのか?2020年を2019年と比較した場合、どのカテゴリが売上規模を拡大したのか?さらに、カテゴリの売上規模を拡大させたアプリは何だったのか等をレポート致します。

 

カテゴリ別年間売上金額

2020年の国内Apple App Storeのカテゴリ別売上金額を比較すると、ゲームカテゴリの売上が他カテゴリを圧倒していることが分かります。その金額は、全カテゴリ売上金額の71.8%に相当し、第2位Bookの12.0倍、第3位ソーシャルネットワークの13.6倍、第4位エンターテイメントの21.4倍とほぼ独占状態にあります。

 

Figure 1
国内Apple App Store
2020年カテゴリ別売上金額

Figure 1

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

では具体的にどのゲームアプリがこのような売上金額をもたらしているのでしょうか?Figure 2は、2020年国内Apple App Storeゲームカテゴリでの売上金額トップ10を示したものです。そのほとんどは過去からのメガヒットアプリで、第9位の「ディズニーツイステッドワンダーランド」を除いて、全て2017年以前にリリースされたアプリとなっています。またその売上金額は膨大で、上位7位までの売上金額は1億ドル(約103億円)以上となっています。

Figure 2:
国内Apple App Store
2020年ゲームカテゴリ売上金額トップ10アプリ

Figure 2

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

次にゲームを除いたカテゴリーをより詳しく見てみましょう。前述のように国内Apple App Storeではゲームカテゴリの売上がストア全体売上の70%以上を占めていますが、これにBook、ソーシャルネットワーク、エンターテイメント、ミュージックが続き、2020年ではこれらのカテゴリが年間1億ドル(約103億円)超える市場規模となっています。

 

Figure 3:
国内Apple App Store
2020年Non-Gameカテゴリ別売上金額

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

各カテゴリ、売上を上げているアプリをピックアップしてみると、Bookカテゴリでは、「LINEマンガ」「ピッコマ」等のコミックアプリ、ソーシャルネットワークでは「LINE」をトップとして、出会い系の「Pairs」、ライブストリーミングの「LIVIT-17LIVE」が上位に来ています。またエンターテイメントではTV&ビデオエンターテインメントの「ABEMA」、ドラマ・映画・アニメの「U-NEXT」「Hulu」、ミュージックでは「LINE Music」がトップになっていることがわかります。

 

Figure 4:
国内Apple App Store
2020年Non-Gameカテゴリ売上金額トップ10アプリ

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

Figure 5は、2020年のカテゴリ別売上金額を、前年の2019年と比較した場合の増減比を比較したものです。これによれば、2019年との比較で売上増加率トップカテゴリはエンターテイメントで、これにPhoto & Video、Bookが続きます。逆に前年対比で最大の減少率だったのはニューススタンドで、その他ビジネス、ショッピング、トラベルが-15%以上の減少率となっています。

 

Figure 5:

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

次に売上金額増加率トップのエンターテイメント・カテゴリにフォーカスして、どのアプリが売上を増加させたのかを見てみましょう。Figure 3は、エンターテイメントカテゴリを2019年からの売上増加額でトップ10を集計したものです。トップ5までは映画・TV・アニメ動画配信アプリとなっており、2020年はコロナ禍による巣篭もり需要で、これら動画配信アプリの売上が増加しました。

また2020年のエンターティメントカテゴリで特徴なのは、所謂ライブストリーミングアプリの売上が増加している点です。具体的には「TwitCasting Viewer」「LINE LIVE」「Spoon」の売上金額が2019年に比較して、150万ドル(約1億5,450万)以上増加しています。

 

Figure 6:
国内Apple App Store
エンターテインメントカテゴリ・2019年からの増加額ランキングトップ10アプリ

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

次に増加率第2位のPhoto & Videoカテゴリを見てみましょう。このカテゴリの中心アプリはやはりYouTube。課金の内容は広告なしの視聴と動画ダウンロードによるオフラインでの視聴です。特に2020年はコロナ禍の影響で活動の場を失った芸能人、芸人、ミュージシャン等が立て続けにYouTubeチャネルを立ち上げ、さらに「BTS」「NiziU」と言ったアイドルスターの映像がYouTubeで見られるため、一気に課金ユーザーが増加したことが推察できます。

その他のアプリに関しては、ライブ・ストリーミングのアプリに人気があり、エンターテイメントカテゴリではなく、Photo & Videoカテゴリに登録した「ミクスチャ」が270万ドル(約2億7,800万)売上を増加させています。またプリクラで撮ったプリントシールを携帯のアプリ内に保存、管理できる「ピクトリンク」もPhoto & Videoカテゴリの売上増に貢献しています。

 

Figure 7:
国内Apple App Store
Photo & Videoカテゴリ・2019年からの増加額ランキングトップ10アプリ

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

最後に、増加率第3位のBookカテゴリの主要アプリは、下記Figure 7となります。2020年Bookカテゴリでの注目は、何といっても「ピッコマ」の躍進で、「ピッコマ」は2020年7月、今までBookカテゴリでトップを維持してきた「LINEマンガ」の売上金額を超えてトップになっています。また2019年からの増加額は5,100万ドル(約52億5,300万円)を超え、第2位の「めちゃコミック」の3倍以上の売上増となっています。コロナ禍による巣篭もり需要は、国内のコミックアプリにも影響を与え、売上金額上位250アプリの内、125アプリが前年を上回る売上金額なっています。

 

Figure 8:
国内Apple App Store
Bookカテゴリ・2019年からの増加額ランキングトップ10アプリ

Source : Airnow社Airnow Data, Apple App Store, FY2020, Japan

 

iOS版「ピッコマ」アプリ 使用SDK一覧

Airnow社ビジネスパートナーのインターアローズが国内総代理店となっている米国MIXRANKは、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKデータを提供できることで世界的に高い評価を得ています。今回のレポートは、このMIXRANKのデータを使用し、上記トピックス中で取り上げたiOS版コミックアプリ「ピッコマ」を取り上げ、このアプリが現在どのSDKを採用しているのかレポートします。

「ピッコマ」は頻繁にはSDKの入れ替えを行なっていません。最新のSDKの入れ替えは2019年7月7日で、下記Figure 9が、2020年7月7日のアップデートの際に「ピッコマ」が採用したSDKの一覧となります。その特徴は、この時期に一気にGoogleが提供している「Firebase」関連のSDKを大量に採用し(下記緑色のSDKが新規採用)、バックエンドを含めてアプリ開発を強化していることが推察できます。その他アドネットワーク・エクスチェンジでは「Admob」、「MoPub」、それを分析する広告測定では「Adjust」、さらにAdjust参加に入った「CyberZ FOX」、グラフィック向上では「Metal」、クラッシュ分析では「Crashlytics」を採用していることが分かります。

 

Figure 9:
2019年7月7日
Figure 9 :
iOS版「ピッコマ」採用SDK一覧

Source : MIXRANK社、iOS版「ピッコマ」採用SDK、2019年7月7日

 
 
 
 
Airnow

Airnow社は、英国ロンドンに本社を持つ、アプリ・マネジメント・ソリューション提供会社です。アプリ市場分析データ、アプリ配信、アプリ・サイバーセキュリティ、アプリ・マネタイゼーションのサービスをワンストップで提供しています。Airnow Data(旧PrioriData)は、このAirnowのアプリ市場分析データサービス部門。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで55カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow Data(旧PrioriData)は、Airnow社傘下企業およびデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://www.airnowjapan.com/

 
 
MixRank

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 
 

データ提供

インターアローズ

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 弊社はまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。 戦略的海外パートナーには、Airnow、Airnow Data、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 
 

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スマーフォンアプリ市場分析データ Airnow Data(旧Priori Data):https://www.airnowjapan.com/

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