インターアローズ デジタル市場レポート 2020年6月号 No.1

インターアローズ デジタル市場レポート
2020年6月号 No.1

国内Apple App Store最新売上急増アプリ

新型コロナウィルスによって国内経済が大きな打撃を受ける中、スマートフォンアプリ、特にエンターテイメント系アプリの売上金額が急増しています。今回のレポートは、国内Apple App Storeで、最新過去30日間の期間(2020年5月2日-2020年5月31日)を取り、その以前の30日間と比較して、売上を急増させたアプリのトップ10をご紹介します。

まずこの期間の売上金額ランキングトップ10のカテゴリを調査すると、トップ10中8アプリはゲームで、2アプリがマンガ・コミックのアプリであることが分かります。売上金額トップ5は「モンスターストライク」「荒野行動」「パズル&ドラゴンズ」「Fate/Grand Order」「ドラゴンクエストウォーク」と昨年からの定番ゲームアプリが引き続き上位を独占しています。しかしながら、前期間と比較すると「Fate/Grand Order」「パズル&ドラゴンズ」「ドラゴンクエストウォーク」は大幅に売上を減少させていることが分かります。

 
 

Figure 1
国内Apple App Store
売上金額トップ10ゲームアプリ

Figure 1

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, May 2 – 31, 2020, Japan)

 

では、この期間どのアプリが売上を急増させたのでしょうか?Figure 2は、前期間と比較した増加額のトップ10を示したものです。トップはバトルロイヤル系のゲームアプリ「荒野行動」。もちろんコロナ禍が全てではありませんが、外出抑制等の影響によって、このアプリの売上金額が急増したことが推察されます。その増加額は、前期間から6億円を上回る金額となっています。
 また第2位には2014年5月と、6年前にリリースされた「ONE PIECE トレジャークルーズ」がランクインしています。その理由は、コロナ禍に合わせて「少年ジャンプ+」等のコミックアプリが、「ONE PIECE」を期間限定無料で購読できるサービスを提供し読者が増加したこと。さらにパブリッシャーのBANDAI NAMCO社が、ほぼ毎日アプリ内でイベント、キャンペーンを実施し、それが功を奏した結果と考えられます。

さらに前期間との比較であれば、新作アプリが売上急増ランキングに入ってくる可能性は高く、注目の新作アプリしては、国内GOOD SMILE COMPANY社のRPGゲーム「東方LostWord」、 中国4399TH社のアクションRPGゲーム「魔剣伝説」、シンガポールYOOZOO社(本社は中国)のRPG・カードゲーム「三国志ブラスト-少年ヒーローズ」が好調なスタートを切っています。また他カテゴリとしては、台湾発のライブ・ストリーミングアプリ「LIVIT(17 Live)」が第10位にランクイン。これはこの期間に展開したTVスポットキャンペーンの効果と推察できます。

 

Figure 2
国内Apple App Store
売上金額トップ10海外ゲームアプリ

Figure 2

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, May 2 – 31, 2020, Japan)

 

スクリーンショット

スクリーンショット

(Source : Apple App Store)

 

最新「韓国」スマートフォンアプリ市場

韓国のスマートフォンアプリ市場は、中国、日本に次いでアジアでは第3位の市場となっています。またSamsung、LGと言った巨大携帯端末メーカーを有し、さらに早期からプロゲーマーが存在する程オンラインゲームが盛んな国としても知られています。今回のレポートは、最新の韓国スマートフォンアプリ市場にフォーカスし、その市場規模、市場トレンド、主要アプリをレポートし、さらにこの市場での日本のアプリの状況をご紹介します。

まず韓国スマートフォンアプリ市場の特徴として、他のアジア地域同様、Google Playの市場規模がApple App Storeを大きく上回る点が挙げられます。特に同国企業のSamsung、LGがAndroid端末を普及させているため、iPhoneとの差は歴然となっています。

具体的に韓国のApple App StoreとGoogle Playを比較すると、2019年の累計ダウンロード数では、Google Playの16.5億に対して、Apple App Storeは5.6億と、GoogleはAppleの約3倍多くなっています。この差は売上金額ではさらに拡大し、Googleの17.8億ドルに対して、Appleは2.9億ドルで、Googleの売上金額はAppleの約6倍の規模となっていることが分かります。

 

Figure 3:

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store & Google Play, FY2019, Korea)

 

では現状韓国ではどのようなアプリに人気があるのでしょうか?2019年韓国Google Playでの年間累計ダウンロード数トップ10を調べて見ると、トップはフィンランドSupercell社のアクションゲーム「Brawl Stars」。Supercell社と言えば過去「Clash of Clans」や「Clash Royale」等、世界的に大ヒットしたゲームアプリを開発したパブリッシャーで、特に韓国で人気が高く、2019年「Brawl Stars」のAndroid版の国別売上ランキングでは韓国がトップとなっています。

また韓国Google Play、2019年ダウンロード数の特徴としては、2019年はスマートバンキング関連ファイナンスアプリが注目を集めており、第2位に「NH스마트뱅킹(NHバンク)」、第4位に「토스(トス)」がトップ10内にランクインしています。さらに第10位の「V3 Mobile Plus 2.0」は、モバイルバンキングに特化したセキュリティーのツールアプリとなっています。

その他、無料の通話&チャットの「Kakao Talk」、機種変更に伴うデータ・アプリ転送の「Samsung Smart Switch Mobil」、地域密着型フリマアプリ「Karrot」、ショッピングアプリ「쿠팡 (Coupang)」に人気が集まっています。

 

Figure 4:
韓国 Google Play
2019年累計ダウンロード数トップ10アプリ

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Korea)

 

次に売上金額のトップ10を調査すると、第5位の「Brawl Stars」(フィンランド)、第10位の「랑그릿사(ラングリッサーモバイル)」(香港)を除いて、トップ10中8アプリは全て地元韓国パブリッシャーのアプリになっており、自国のアプリに人気があることが分かります。上位4位までは、韓国の大手ゲームパブッシャーであるNCSOFT社、Netmarble社、PEARL ABYSS社が開発したRPGゲームで、特に「Linageシリーズ」のゲームは圧倒的な人気を得ています。韓国においても、ゲームの売上金額は高く、トップ10以内にゲーム以外でランクインしたアプリは「Kakao Talk」のみとなります。

 

Figure 5:
韓国 Google Play
2019年累計売上金額トップ10アプリ

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Korea)

 

最後にこのような韓国市場において日本のアプリの状況はどうなっているのでしょうか?韓国Google Playで日本のアプリのみをピックアップして、その売上金額トップ10を調べてみると、状況はかなり厳しいことが見えてきます。トップは、Bandai Namco社の「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」。第2位は同社の「원피스 트레저 크루즈(ワンピーストレジャークルーズ)」。両アプリとも日本の強力なIP、さらに韓国語にローカライズ済みにもかかわらず、売上金額総合ランキングでは、73位、81位に止まっています。また売上金額でも年間で500万ドルを下回る結果となっています。その他PONOS社の「냥코 대전쟁(にゃんこ大戦争)」、KONAMI社の「Yu-Gi-Oh! Duel Links」等が日本のアプリでは上位にランクしていますが、総合ランキングでは90位以降で、売上金額も年間売上も400万ドル以下の結果です。
韓国のGoogle Play市場は非常に大きな市場で、自国のアプリが優位に立っているのが現状ですが、今後、この市場に合致したアプリの投入により、韓国市場における日本のアプリの躍進を期待したいと思います。

 

Figure 6:
韓国 Google Play
2019年日本アプリ累計売上金額トップ10アプリ

Figure 6

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Korea)

 
 

iOS版「ドラゴンボール Z ドッカンバトル」アプリ 使用SDK一覧

弊社が国内総代理店となっている米国MIXRANK社は、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKのデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回のレポートは、このMIXRANKのデータを使用して、現在海外市場で、日本のアプリでは売上No.1となっているBandai Namco社の「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」を取り上げ、過去どのようなSDKを採用していたのか、また最新アップデートでどのようなSDKの入れ替えを行ったのかを調べてみました。

 まずiOS版「ドラゴンボール Z ドッカンバトル」は、他ゲームアプリに比較して、採用しているSDKは少数で、またそれ程頻繁にSDKの入れ替えは行っていません。最近の新しい動きとしては、本年3月11日でのアップデートで、「Accelerate Framework」を新規採用して、CPUのパフォーマンスを向上させ、省エネを図っています。また「AuthenticationServices」「LocalAuthenticationb Framework」等認証関連のSDKを追加し、ユーザーがより簡単にログインできるようにしています。逆にこのアップデートでは、非同期処理をより扱い易くするライブラリの「Bolts」を削除しています。

 

Figure 7:
2020年3月11日
iOS版「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」SDKアップデート内容

Figure 7

(Source : MIXRANK,「ドラゴンボール Z ドッカンバトル」, March 11, 2020)

 

また下記が、最新の採用SDKの一覧です。このアップデートでは多数のSDKを削除しています。主なものを挙げると、広告ネットワークの「Admob」、2Dゲームに特化したゲームフレームワークの「Cocos2d」、クラッシュ分析に特化した「Crashlytics」、バグレポート機能を持つアプリ開発ツール「Fabric」を削除していること分かります。

 

Figure 8:
2020年4月9日、採用SDK一覧

Figure 8

(Source : MIXRANK,「ドラゴンボール Z ドッカンバトル」, April 9, 2020)

 
 
 
 
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Airnow「PRIORI DATA」は、2013年設立、英国ロンドンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで54カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow「PRIORI DATA」は傘下のAirpuh及びデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 
 
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米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

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データ提供

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株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 弊社はまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。戦略的海外パートナーには、Airnow(Priori Data)、comscore、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 
 

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