インターアローズ デジタル市場レポート 2020年5月号 No.1

インターアローズ デジタル市場レポート
2020年5月号 No.1

最新国内における海外ゲームアプリの現状

昨年から国内アプリストアにおけるゲームアプリのトレンドとして、海外ゲームアプリのランキング上位進出が顕著になってきています。特にダウンロード数ランキングでは、フランスVoodoo社を筆頭とする「ハイパーカジュアルゲーム」が国内でも人気で、月によっては、トップ10中8アプリが海外ゲームアプリで占められる状況になってきています。 では売上金額ではどの程度海外ゲームが上位にランクされているのでしょうか?今回は、国内Apple App Storeで、最新データ(過去30日間:2020/03/28-04/26)での海外ゲームアプリの売上状況についてレポートします。

まず、売上金額のトップ10を調べてみると、トップ10中9アプリは日本のアプリで、「モンスターストライク」「Fate/Grand Order」「パズル&ドラゴン」等の定番アプリが依然上位を独占していることが分かります。現状売上金額トップ10アプリでは、日本のゲームアプリが優位に立っていることが言えます。

海外アプリで唯一売上ランキングトップ10入りしているのは、中国NetEase Games社がリリースしている「荒野行動」。このアプリは、2017年11月にリリースされたバトルロイヤル系のシューティング・ゲームで、リリース後着実に売上金額を増加させ、今回の期間でも第2位にランクインしています。

 
 

Figure 1
国内Apple App Store
売上金額トップ10ゲームアプリ

Figure 1

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, March 28 - April 26, 2020, Japan)

 

しかしながら、海外ゲームアプリのみをピックアップして、その売上ランキング・売上金額を調査すると新たな動きが見て取れます。それは売上ランキング10位から30位までに、すでに多数の海外ゲームアプリがランクインしている点です。具体的には、11位から20位までが3アプリ、21位から30位では、驚くことに6アプリが全て海外ゲームとなっています。またこれら海外ゲームアプリのパブリッシャーの所在国を調査すると、中国、香港、台湾、韓国と言ったアジア地域で、ゲームカテゴリも、日本で人気のあるRPGゲームに特化しています。これは、ゲームの市場規模が大きい日本をターゲットとした戦略的なゲームアプリと推察できます。

 過去において海外のゲームアプリは、ダウンロード数では上位にランクされていましたが、売上金額では常に日本のゲームアプリが優位に立っていました。しかしながら、最近ではアジア系のゲームアプリ・パブリッシャーが、日本市場をターゲットとして、日本市場に合致したゲームカテゴリ、キャラクターデザイン、ストーリー、声優等、より戦略的な手法で国内に進出し、売上を拡大させています。現在新型コロナウィルスの影響で在宅時間が増加し、国内のゲームアプリ市場は増加傾向にありますが、反面、海外からの新規参入で、市場はさらに激化していくことが想定できます。

 

Figure 2
国内Apple App Store
売上金額トップ10海外ゲームアプリ

Figure 2

(Source : Airnow : Priori Data, Apple App Store, March 28 - April 26, 2020, Japan)

 

スクリーンショット

スクリーンショット

(Source : Apple App Store)

 

最新「台湾」スマートフォンアプリ市場

台湾は親日の人々が多く、スマートフォンアプリにおいても、「LINE」をはじめ日本のアプリの愛好家が多いことから、日本のパブリッシャーにとって、アジアでは中国、韓国以上に売上拡大が見込める市場と認識されてきました。今回はこの台湾市場にフォーカスし、最新の市場状況をレポートすると同時に、台湾市場における日本のアプリの現状についてレポートします。

まず台湾市場の特徴として、他のアジア地域同様、Google Playの市場規模がApple App Storeを大きく上回る点が挙げられます。台湾人にとってもiPhoneは高額なため、安価な国産、中国産のAndroid携帯端末の方が普及しているのが主な理由です。

具体的に台湾のApple App StoreとGoogle Playを比較すると、2019年の累計ダウンロード数では、Google Playの5.9億に対して、Apple App Storeは4億と、GoogleはAppleの約1.5倍多くなっています。この差は売上金額ではさらに拡大し、Googleの7.7億ドルに対して、Appleは4.3億ドルで、Googleの売上金額はAppleの約2倍の規模となっていることが分かります。

 

Figure 3:

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Taiwan)

 

では現状台湾ではどのようなアプリに人気があるのでしょうか?2019年台湾Google Playでの年間累計ダウンロード数トップ10を調べて見ると、トップはドイツFoodpanda GmbH社のフードデリバリーアプリ「foodpanda」。第2位には日本の「LINE」がランクインしており、双方とも年間のダウンロード数は400万を超えています。その他台湾で特徴的なのは、 第3位には、シンガポールGarena Games Online社のレーシングゲーム「Garena Speed Drifters」、第4位には、シンガポールShopee社のEコマースアプリ「Shopee」、第5位には、地元台湾全聯福利中心社のペイメントアプリ「全聯福利中心」が第5位ランクインしている点が挙げられます。

その他、台湾ではフードデリバリーが人気なようで、第6位には「Uber Eats」、また一昨年から世界中で大ヒットしている中国発のショートムービーSNSアプリ「TikTok」も第8位にランクインしています。

 

Figure 4:
台湾 Google Play
2019年累計ダウンロード数トップ10アプリ

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Taiwan)

 

次に売上金額のトップ10を調査すると、トップ10中9アプリは全てゲームであることが分かります。トップは地元台湾Gamania Digital Entertainment社のRPGゲームアプリ「天堂M」。その年間売上金額は9,000万ドルを超え、他ゲームアプリを大きく引き離しています。唯一ゲーム以外のアプリは、日本の「LINE」で、ランキングは第6位。売上金額は1,724万ドルとなっています。

その他、売上金額Top10中に、日本のCygames社「プリンセスコネクト!Re:Dive」(中国名「超異域公主連結!Re:Dive」)が第7位、Aniplex社の「Fate/Grand Order」が第8位にランクインしていますが、両社とも自社で配信しているのではなく、Cygames社は台湾のSo-net Entertainment Taiwan社、Aniplexも台湾のKomoe社にライセンスしてこの結果を得ています。

 

Figure 5:
台湾 Google Play
2019年累計売上金額トップ10アプリ

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Taiwan)

 

最後にこのような台湾市場において他の日本のアプリの状況はどうなっているのでしょうか?台湾Google Playで日本のアプリのみをピックアップして、その売上金額トップ10を調べてみると、トップの「LINE」は、全体の売上ランキングで第6位にランクインしていますが、その他は全てランキング60位以下になっていることが分かります。内容的には全てゲームアプリですが、LINE社の「LINE Bubble2」が64位、任天堂社の「Dragalia Lost」が69位、WFS社の「ANOTHER EDEN」が71位となっています。また金額的にも、年間200万ドルに満たないアプリが大半を占めます。この点、台湾市場に対しては、現地パブリッシャーへのライセンスも選択肢に入れた海外戦略が必要になることが推察できます。

 

Figure 6:
台湾 Google Play
2019年日本アプリ累計売上金額トップ10アプリ

Figure 6

(Source : Airnow : Priori Data, Google Play, FY2019, Taiwan)

 
 

「放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜」アプリ 使用SDK一覧

この度弊社が契約を結んだ米国MIXRANK社は、データの取得が難しいiOSアプリ内での採用SDKのデータを提供できることで、世界的に高い評価を得ています。今回のレポートは、このMIXRANKのデータを使用して、現在国内でテレビスポットキャンペーンを実施しているC4社「放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜」のiOSアプリを取り上げ、現状どのようなSDKを採用しているのか、また最新アップデートでどのようなSDKの入れ替えを行ったのかを調べてみました。

 まずiOS版「放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜」は、アップデートの際に、あまりSDKの入れ替えを行っていません。リリースから最大のSDKの入れ替えを行ったのは、2019年2月19日のアップデートで、下記赤でマークされたSDKを一挙に削除しています。

Figure 7:
2019年2月15日
iOS版「放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜」SDKアップデート内容

Figure 7

(Source : MIXRANK,「放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜」, February 15, 2019)

 

内容的には、Google Data APIsや、Google Tag Manager、Google Analytics、Google Local Search等、Googleが提供しているSDKを一挙に削除しています。また同時にアプリログ解析SDKのFlurryもこのアップデートで削除しています。

また下記が、最新の採用SDKの一覧です。主なものを挙げると、ユーザーの行動分析、広告分析に「Adjust」、アプリ開発に「Cocos2dx」、ブラウザー表示に「Safari Services」、またFacebook関連のSDKを多用していることが分かります。さらにこのアップデートで「commonSDK」を採用していることがわかります。

 

Figure 8:
2019年11月11日、採用SDK一覧

Figure 8

(Source : MIXRANK,「放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜」, February 11, 2019)

 
 
 
 
MixRank

Airnow「PRIORI DATA」は、2013年設立、英国ロンドンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。デイリーベースで54カ国、カテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、ダウンロード数、売上金額、DAU、MAU、及びARPDAU(1日のアクティブユーザー一人当たりの売上金額)のデータを提供しています。MAU、DAUは通常アプリに実装された測定用SDKを使い、モバイルアプリユーザをパネルとして推定値を出しますが、 Airnow「PRIORI DATA」は傘下のAirpuh及びデータパートナーとの提携により150万社のデベロッパー及びパブリーシャーデータと、トラッキング対象ディバイスは35億とビックデータを活用し算出されているのが特徴です。クライアントにはHSBC, Mastercard, ebay, PayPal, Unilever, Sony, BMWなどがあります。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 
 
MixRank

米国サンフランシスコで生まれた先進的なテクノロジーデータ「MIXRANK」は、WebサイトテクノロジーからモバイルSDKデータ、ディスプレイ・テキスト広告まで、総括的にデータをトラックします。特にWebテクノロジーと、iOSを含むモバイルアプリ・SDKデータの両方をトラックしている企業はほとんどなく、MIXRANKが高い評価を受けてる理由の1つです。SDKに関しては、世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能です。

詳しくは https://interarrows.com/mixrank.html

 
 

データ提供

インターアローズ

株式会社インターアローズ

インターアローズは、 デジタルマーケティング&ソリューション・エージェンシー。ICT世界市場における技術動向の調査および評価を通じて、革新的なインターネットデータおよびソリューションサービスを顧客に提供しています。 弊社はまた、グローバルな技術とビジネスを日本に紹介することを専門としています。戦略的海外パートナーには、Airnow(Priori Data)、comscore、MIXRANK、UXCam、およびCrazy Eggがあります。 インターローズは東京とロンドンにオフィスを構えています。

詳しくは http://www.interarrows.com/

 
 

┏ PR ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

★アプリの利用状況を動画、タッチヒートマップで分析!さらにマシーンラーニング技術を活用して人間では気づかないアプリUXの問題点を自動検出。
次世代のアプリUX分析ツール「UXCam(ユーエックスカム)」:https://uxcamjapan.com/

★全世界54カ国のApple App Store、Google Playでランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データをご提供!
スマーフォンアプリ市場分析データ「PRIORI DATA(プライオリ・データ)」:http://www.prioridata.net

★世界200カ国、アプリ及びアプリ内で採用されているSDKデータを提供。
取得が難しいと言われるiOSのアプリデータに関しても、760万以上のiOSアプリの実装SDKデータを保有。さらにそれがいつ採用され、いつ削除されたかのデータも提供可能。
先進のスマートフォン・アプリデータ「MIXRANK(ミックスランク)」:https://www.interarrows.com/mixrank.html

★配信時間の長さを選んで、メール配信コストを大幅にダウン!
世界中で選ばれているメール配信、SMSツール。「MailUp(メールアップ)」:https://www.mailup.jp/

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

お問合わせ先/お申込み

株式会社インターアローズ
〒141-0031 東京都品川区西五反田1-20-1
RUBBER SOUL 102
TEL : 03-6431-8022 FAX : 03-6431-8023
URL : www.interarrows.com

担当:高橋 治彦  takahashi@interarrows.com