インターアローズ デジタル市場レポート 2018年3月号

インターアローズ デジタル市場レポート
2018年3月号

 

2017年米国Google Play市場で日本のパブリッシャー売上No.1はバンダイナムコ。トップ10上位中、7社が前年を上回る売上

日本のパブリッシャーの2017年米国Google Playでの業績を調べてみると、売上金額トップ10は、LINEを除いて全てゲームパブリッシャー。前年対比で比較した場合、日本のパブリッシャーの売上は増加傾向にあり、トップ10中、7社が前年を上回る結果となっています。売上金額トップは、バンダイナムコで、前年対比+221.3%、売上金額も第2位の任天堂の2倍を超えるUS$8,044万でした。

また2017年米国で特記すべき日本のパブリッシャーはNTT SolmareとAniplexでしょう。NTT Solmareは多数の「恋愛シミュレーション・ゲーム」で売上を上げ、日本のパブリッシャーの中では、米国第6位にランクインしています。Aniplexは「Fate/Grand Order」の英語版をリリースして、GungHo、gumiを上回る売上を上げました。

 

Figure 1: 2017年米国Google Play 日本パブリッシャー、売上金額トップ10

Figure 1: 2017年米国Google Play 日本パブリッシャー、売上金額トップ10

(Source : Priori Data, Google Play, FY2017, US)

さらにトップ3のパブリッシャーのどのアプリが売上増に貢献したのか、各パブリッシャーの売上金額トップ3のアプリを調べてみると、バンダイナムコでは「DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE」、任天堂は 「Fire Emblem Heroes」、スクウェア・エニックスは「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS」となりました。各社、複数のアプリをヒットさせて売上を増加させているのではなく、トップ単独のアプリのみで売上を上げていることが分かります。

 

Figure 2: バンダイナムコ・米国Google Playトップ3アプリ

Figure 2: バンダイナムコ・米国Google Playトップ3アプリ

(Source : Priori Data, Google Play, FY2017, US)

 

Figure 3: 任天堂・米国Google Playトップ3アプリ

Figure 3: 任天堂・米国Google Playトップ3アプリ

(Source : Priori Data, Google Play, FY2017, US)

 

Figure 4: スクウェア・エニックス・米国Google Playトップ3アプリ

Figure 4: スクウェア・エニックス・米国Google Playトップ3アプリ

(Source : Priori Data, Google Play, FY2017, US)

 

スクリーンショット

スクリーンショット1

(Source : Google Play, US)

スクリーンショット2

(Source : Google Play, US)

スクリーンショット3

(Source : Google Play, US)

2017年国内Apple App Storeでのカテゴリ別売上金額では「ゲーム」が圧倒的。
上位アプリによる売上寡占化が著しいカテゴリは「ブック」「ソーシャルネットワーク」

2017年国内Apple App Storeでの総売上金額をカテゴリ別で比較してみると、80%以上の売上はゲームであることが分かります。
その金額は5,000億円を超える金額となっており、第2位の「ソーシャルネットワーキング」の20倍、第3位「ブック」の32倍を超える圧倒的な金額となっています。

 

Figure 5:

Figure 5:

(Source : Priori Data, Apple App Store, FY2017, Japan)

各カテゴリにおけるランキング上位アプリ売上金額の寡占状況を調べてみると、売上金額上位20位までの占有率が一番高いカテゴリは「ブック」であることがわかります。「ブック」カテゴリの場合、上位1位-3位までで、全体売上の50.4%を占めており、20位まで85.1%を占める結果となっています。その他上位アプリの占有率が高いカテゴリは、「ソーシャルネットワーキング」(上位1位-20位:83.4%)、「エンターテイメント」(上位1位-20位:71.1%)、「ミュージック」(上位1位-20位:71.1%)となっています。

 

Figure 6:

Figure 6:

(Source : Priori Data, Apple App Store, FY2017, Japan)

さらにこれら寡占化を招いているアプリを調べてみると、「ブック」カテゴリでは、デジタルコミックの「LINEマンガ」、「少年ジャンプ」、「ピッコマ」。「ソーシャルネットワーク」カテゴリでは、「LINE」、女の子を対象としたSNSの「Pokecolo」、出会い系の「Pairs」であることが分かります。

 

Figure 7:2017年Apple App Store 売上金額トップ10カテゴリ 売上金額トップ3アプリ

Figure 7:

(Source : Priori Data, Apple App Store, FY2017, Japan)

米国で「メルカリ」は着実にユーザー数を拡大。
2017年Apple App Storeでの累計ダウンロード数は1,000万を超え、2018年1月の月間アクティブユーザー数は300万人以上

「Amazon」「e-bay」「Walmart」等巨大なEコマース会社が存在し、競合環境が厳しい米国ショッピング・カテゴリで、日本の「メルカリ」が健闘しています。
2017年、米国Apple App Store、シッピングカテゴリでの2017年累計ダウンロード数は338万で、米国での競合「OfferUp」、「letgo」には及ばないものの、年間ダウンロード数では第10位にランクされています。

 

Figure 8:

Figure 8:

(Source : Priori Data, Apple App Store, FY2017,US)

メルカリの米国進出は2013年7月ですが、Apple App Storeでのダウンロード数の推移を調べてみると、実質的には、2016年7月からダウンロード数を急増させており、2016年8月のダウンロード数は月間200万を超える結果となっています。

 

Figure 9:

Figure 9:

(Source : Priori Data, Apple App Store, Sep 20147-Jan 2018,US)

このダウンロード数の推移を累計で見てみると、「メルカリ」は2017年5月、米国Apple App Storeのみで累計1,000万ダウンロードを達成し、2018年1月には1,300万を超える結果となっています。

 

Figure 10:

Figure 10:

(Source : Priori Data, Apple App Store, Sep 2014-Jan 2018,US)

さらに「メルカリ」の好調さを裏付ける傾向としては、月間アクティブユーザー数で、2017年4月からは減少傾向にありましたが、2017年11月から急増させ、2017年12月、2018年1月には月間300万人を超える結果となっています。その要因は、強力なPR・プロモーション活動で、2017年11月には、データサイエンティストのコンペプラットフォームの米Kaggleで「Mercari Price Suggestion Challenge」を実施し、総額約1,100万円の賞金を提供することで話題を集めました。さらに2017年12月には、プロサッカー選手のネイマール選手が「メルカリ」のグローバルブランドアンバサダーに就任したことを発表し、Web上で上でいくつかイメージムービーを公開しています。これらの活動が米国における「メルカリ」のアクティブユーザー増加の要因になっていると推察されます。

 

Figure 11:

Figure 11:

(Source : Priori Data, Apple App Store, Jan 2017-Jan 2018,US)

国内Google Play売上金額トップ10ゲームアプリが使用している主要ゲームエンジンは
「CoCos2d-X」と「Unity 3D」。分析系では国産も含め多用なSDKを使用

2017年国内Google Play売上金額トップ10アプリが使用しているゲームエンジンは、大きく分けて3つに分類できます。
その第1は中国の「Cocos2d-X」で、2Dゲームの最適化を目的としたゲームエンジンで、マルチプラットフォームにも対応しています。トップ10アプリでは、「モンスターストライク」、「LINE:ディズニーツムツム」「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」「Fire Emblem Heroes」がこのゲームエンジンを使用しています。
第2は、同様にマルチプラットフォームに対応した3Dゲーム専用の「Unity 3D」で、これは「Fate/Grand Order」、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」」に使用されています。
第3は、これら既存のゲームエンジンは使用せず、ネイティブである「Google Play Game Service」を使用するか、自社オリジナルのエンジンで開発するケースです。「パズル&ドラゴンズ」「グランブルーファンタジー」「LINE PokoPoko」「実況パワフルプロ野球」がこれに該当します。

またゲームアプリが採用して分析系SDKを調べてみると、各アプリ「Google Analytics」を中心としながらも、目的に合わせて多用なSDKを使用していることが分かります。「モンスターストライク」「ドラゴンボールZドッカンバトル」はクラッシュ分析に特化した米国の「Crashlytics」を使用しており、また「Fire Emblem Heroes」「実況パワフルプロ野球」は、広告効果測定・行動分析で世界的評価の高いドイツの「Adjust」を使用しています。
さらに国内のスマートフォン・アプリ測定ツールも使用されており、「Face/Grand Order」はメタップスリンクス社が提供する「Metaps」、「ドラゴンボールZドッカンバトル」はアドウェイズ社の「PartyTrack」、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」「グランブルーファンタジー」は、CyberZ社の「CyberZ F.O.X」を使用しています。

 

Figure 12:

Figure 12:

(Source : Datanyze, Android Apps, Feb 24, 2018, Japan)

 
 

プライオリデータ

「PRIORI DATA」とは

「PRIORI DATA」(プライオリ・データ)は、2013年設立、ドイツ、ベルリンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。全世界57ヵ国アプリストアでのアプリダウンロード数、売上金額、ASOデータをリーゾナブルな価格で提供できることで、日本を含む世界市場で注目を集めています。このデータは国内でも高い評価を得て「CESAゲーム白書2016」、モバイルコンテンツフォーラム「スマホ白書2016」、ファミ通「モバイルゲーム白書2017」の公式アプリデータとなっております。
詳しくは:http://www.prioridata.net/ をご覧ください。

datanyze

Datanyzeとは

Datanyzeは企業のテクノロジー導入データを抽出し、「あの競合ソフトを利用するのはどの企業?」を リアルタイムにお知らせするICT営業支援システムです 。

datanyze

Datanyzeは、世界4,000万ウェブ、7,000テクノロジーと300万アプリのオープンデータをリアルタイムに把握します。Google Ventureの支援を受けて2012年に米国カリフォルニア州で設立され、月間30万ユーザーを擁するまでに急成長しています。国内では、本年5月より株式会社インターアローズが日本総代理店として販売を開始いたしました。

Datanyzeのデータ収集方法

*Datanyzeによるテクノロジーのデータ抽出は、Alexsaグローバルランキング上位100万件以内のウェブサイト、及びGoogle ChromeアドオンDatanyze Insiderで登録されたドメインと、お客様からの登録リクエストを受けたサイトとテクノロジーから行われます。

*サイト上のリンクや事前定義のウェブページ( (/jobs, /careers, /cart, /checkout, /blog)などの一般公開されたコンテンツだけをクローリングします。Datanyzeはストリング(文字列)マッチングにより、そのテクノロジーがウェブサイト上にあるか否かを判別します 。例えば、テクノロジーAの3件のシグナチャーを計測しているとします。シグナチャー①と②をウェブサイトXのHTMLで検知し、更にシグナチャー③がウェブサイトXのSPFレコード上に検索された場合、「テクノロジーAはウェブサイトXに導入されている」と解析します。
詳しくは、 http://datanyze.jp/ をご覧ください。

データ提供

インターアローズ

株式会社インターアローズ

インターアローズは、日本、英国を拠点とするデジタルマーケティングエージェンシーです。グローバルデータ & アナリティクス及び日本には無いデジタル・マーケティング・ソリューションを提供しています。インターアローズはデジタル・マーケット測定のリーディング企業である「comScore」(コムスコア)、個々の人にフォーカスしたログ解析の「KISSmetrics」(キスメトリクス)、アプリのユーザー行動を可視化するアプリ解析の「Appsee」(アップシー)、新しいEメールマーケティングンの「Mailup」(メールアップ)、ベータ版アプリのテストを簡単、迅速、正確、安価に実施できる「TestFairy」(テストフェアリー)、そして、全世界57カ国のスマートフォンアプリストアの分析データを提供できる「PRIORI DATA」(プライオリ・データ)等、海外の先端技術を持つ企業とのアライアンスを積極的に行い総合的デジタルマーケティングソリューションを提供しています。また本年5月、米国の「Datanyze」(データナイズ)と提携し、Web、アプリにインストールされているソフトウェア・SDKを瞬時に解析できるデータサービスも開始しています。
インターアローズの詳しい内容につきましては、下記をご参照下さい。

http://www.interarrows.com/

 
 

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★WEB、アプリにインストールされているソフトウェア、SDKを瞬時に解析!
先進のセールスインテリジェンスツール「Datanyze」(データナイズ)」:http://datanyze.jp/

★全世界57カ国のApple App Store、Google Playでランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データをご提供!
スマーフォンアプリ市場分析データ「PRIORI DATA(プライオリ・データ)」:http://www.prioridata.net

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