インターアローズ　デジタル市場レポート
2016年5月号

国内のアプリストアでは上位アプリの寡占化が進行中

国内アプリストアでは上位アプリの寡占化が進行しています。2016年3月、国内Apple App Storeの「カタログ」、「天気」、「ニュース」のカテゴリでは、ランキング1-3位のアプリが各カテゴリ全体のダウンロード数の40％以上を占めるまでに至っています。

またその「カタログ」、「天気」、「ニュース」カテゴリで独占的なダウンロード数シェアを獲得しているアプリは下記となります。

従って、このようなカテゴリ内で自社のアプリを上位にランキングさせることは困難で、またこのようなカテゴリに新規参入しても成功確率が低い結果となることが推察されます。反面、「ヘルスケア/フィットネス」、「ライフスタイル」、「エンターテインメント」等のカテゴリにはまだ強力なアプリが存在していないため、新規参入しても上位のランキングを獲得できる可能性があると考えられます。

この上位アプリによる寡占状況を、ゲームのサブカテゴリ別の売上金額で分析してみるとこの傾向はさらに顕著になっています。「ミュージック」カテゴリでは、ランキング1位のアプリだけでカテゴリ全体の売上の90.8％を独占しており、「さいころ」カテゴリでも1位のアプリでだけで85.0％、「カード」カテゴリでは、1位と2位だけで81.9％と驚異的なシェアとなっています。

そして、これらの寡占化を形成している各カテゴリのアプリは下記となります。

日本のスマートフォン・ゲーム市場はすでに世界的に巨大なマーケットになっています。しかしながら、他の国に比較して、上位の限られたアプリがダウンロード・売上の大半を独占している傾向にあります。今後このマーケットに新規参入する場合は、参入するカテゴリの寡占状況、またその寡占を導いているアプリを十分調査した上で、参入すべきかどうか決定することが重要になってくると思われます。

3月は店舗関連のアプリダウンロードが急増！

3月は新入学、新入社、春休みの需要を見込んで、アプリダウンロードランキングにも動きがありました。下記は2016年3月、Apple App StoreライフスタイルカテゴリのダウンロードTop 10アプリです。トップは「GU」で、ダウンロード数は前月対比224.8％の33.9万。この急増の要因はアプリ限定のポイントシステム、ゲームを利用した「GU Game Park」、個人の好みに合わせたレコメンド機能「Like？」を追加した大幅なアプリのバージョンアップが大きく作用したと推察されます。また3月は、春休みの影響でアルバイト関連アプリのダウンロードも急増し、「マイナビバイト短期・単発版」は前月比＋553.2％で12.7万のダウンロード数を達成しています。更に新入学、入社準備のため、各社がアプリを通してクーポン、ポイントプログラムを提供しており、「Loftアプリ」は前月比＋290.9％の7.5万のダウンロードを達成しています。

国内のタブレットユーザー比率は低迷。Appleが圧倒的なシェア

国内でのタブレットユーザー数ならびにユーザー比率*は、他主要国に比較して低いレベルに止まっています。タブレットユーザー数最大の国は米国で、そのユーザー数は1億620万。第2位ドイツの4倍以上の数値となっています。また米国のタブレットユーザー比率は全携帯ユーザーの41.9％に達しています。日本はユーザー数では、米国、ドイツ、英国、フランスに次いで1,217万人となっていますが、ユーザー比率が11.7％と他の国に比較して非常に低い比率となっています。

また米国と日本のタブレットメーカーのランキングを比較してみると、各国違った特徴があることがわかります。両国ともトップはAppleで、米国で44.2％、日本で38.8％と圧倒的なシェアを獲得していますが、米国ではそれにAmazon、Samsungが続き、それ以下のメーカーのシェアは5％以下となっています。日本の場合は、Apple以外に10％以上のシェアをもつメーカーはAmazonとGoogleだけで、米国で3位に入っているSamsungのシェアは1.1％しかありません。また国内メーカーのシェアは全て10％以下となっています。

「PRIORI DATA」とは

「PRIORI DATA」（プライオリデータ）は、2013年設立、ドイツ、ベルリンに本社を持つ、スマートフォンアプリ市場分析データ会社です。アプリストア上でランキングされているアプリのダウンロード数、売上金額データを提供しています。データ提供可能国数は57カ国以上で、各国毎のカテゴリ分析、パブリッシャー市場占有状況、急上昇アプリ、新作アプリ分析データ等を提供しています。さらに追跡したい競合アプリ、競合パブリッシャーのカスタムリストが簡単に作成でき、そのアプリ、パブリッシャーがランキングされているすべての国での、ダウンロード数、売上金額、増減推移、 販売価格、レイティングスコアを同一画面上で参照できる内容となっています。
詳しくは： http://www.prioridata.net/をご覧ください。

コムスコアとは

comScore, Inc. (NASDAQ:SCOR) は、1999年に設立された、米国バージニア州レストンに本社を置くデジタルメディア分析のグローバルリーダーです。コムスコアは、信頼性の高い独自の測定データを提供することにより、テレビ及びデジタル端末におけるコンテンツや広告へのユーザー接触状況に関する理解を促し、消費者を総合的に把握することを可能にします。コムスコアの製品とサービスを通じて、2500以上のクライアントが、自社のマルチプラットフォーム・オーディエンスを理解し、広告が正しく機能しているかどうかを知り、必要なときに必要なデータへアクセスすることができます。
詳しくは、 comscore.com をご覧ください。

コムスコア「MobiLens」とは

コムスコア「モビレンズ」とは、コムスコアが提供するサーベイ方式のモバイル市場動向データです。現在、米、カナダ、英、仏、独、西、伊、EU5（欧州5カ国をロールアップしたもの）で毎月調査を実施（カナダについては四半期ごと）。調査対象者は13歳以上の携帯端末保有者で、有効回答サンプル数は、米12,000以上、日本、カナダ、EU5が5,000以上となっております。
詳しくは、 http://www.comscore.com/jpn/Products/Audience-Analytics/MobiLens をご覧ください。

データ提供

株式会社インターアローズ

インターアローズは、日本、英国を拠点とするデジタルマーケティングエージェンシーです。グローバルデータ & アナリティクス及び日本には無いデジタル・マーケティング・ソリューションを提供しています。インターアローズはデジタル・マーケット測定のリーディング企業である「comScore」(コムスコア)、個々の人にフォーカスしたログ解析の「KISSmetrics」(キスメトリクス）、アプリのユーザー行動を可視化するアプリ解析の「Appsee」(アップシー）、モバイルサイト自動変換の「bMobilized」(ビーモビライスド）、アプリ作製のリーディングブランド「shoutem」（シャウテム）等、海外の先端技術を持つ企業とのアライアンスを積極的に行い総合的デジタルマーケティングソリューションを提供しています。また昨年イタリアの「Mailup社」と提携し、新しいスタイルのEメールマーケティングソリューションの提供も開始しています。さらに新たなパートナーとしてドイツの「PRIORI DATA」社と業務提携し、全世界5７カ国以上のスマートフォンアプリストアの分析データをご提供することとなり、イスラエルの「TestFairy」との業務提携では、今までコストと時間がかかったベータ版アプリのテストを簡単、迅速、正確、安価に実施できるプラットフォームの提供も開始しています。
インターアローズの詳しい内容につきましては、下記をご参照下さい。
http://www.interarrows.com/

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